《 北欧滞在編 》
『UNIKKO』(ケシの花)2011 530×455mm
フィンランドに滞在中、大変お世話になったオッリさんとレーナさん(Olli & Leena)ご夫婦と、雪に閉ざされた長い冬の間、手作りのパイをいただきながら、色々とお話をした。
何の脈絡かは忘れたが、芥子の花の話がイメージに残り、描いた。 絵の中の階段上にあるマットも、レーナさんに教わって織ったもの。
『Olliさんの椅子』2011 530×455mm
オッリさんレーナさんのお宅は、おとぎ話に出てくるような素敵なお家で、特に暖炉の前にあるオッリさんのロッキングチェアは滑々に使い込まれている。
絵の中の部屋は彼らの家ではないが、椅子と電気スタンド、それから緑のサボテンのようなオブジェ(オッリさんの作品)は、実在のものをモデルに描いた。
外は雪で一面真っ白なので、人々は家の窓辺にひまわりの種などを蒔き、小鳥をあつめて眺める。なかなか風流だった。
『Snow ball』2011 273×220mm
フィンランドのラップランド地方に居たときに、途中まで描いていた作品だが、仕上げたのは数ヵ月後。季節は移り変わっているはずだけど、描き始めも雪。仕上げたときも雪。
雪でボールを作って、中にキャンドルを置いて周りに積み上げる素朴なランタン。
『Old mat』2011 273×220mm
この絵のマットは、オッリさんちの離れの倉庫にあったもの。
レーナさんの作品かと思いきや、かなり古いものだという。
いわれてみれば、レーナさんの織るマットとデザインが違う。
とにかく人が少ないので、窓辺に来た美しい鳥の気配にも「いらっしゃい!」といった感じ。
『玉子箱とイースターエッグ』2011
日本ではプラスチックが多く、なかなか見かけない再生紙の玉子パック。ビーズを埋め込みたくなる溝がそそる。
イースターエッグの作り方を教わって、沢山作ってみた。
これはその一部。
『Theater Messen』2011 約400×200×450mm
2011年7~9月は、ノルウェーの広大なフィヨルドにあるレジデンスに滞在。
大柄で陽気なオランダのアーティストが多数滞在していて、先にあちこち巡り歩いた彼らは、惜しみなく色々なインフォメーションをくれる。
ただ、皆さんの滞在期限は3ヶ月間。
ひとり、二組・・・と、この地を去っていく。誰かが出て行くときは、必ず前日の晩に料理を持ち寄ってお別れ会をする。
冗談好きで明るい彼らを見送りながら、「一期一会」を想う。
そんなキャラの濃いアーティストたちが交差する、この素敵な建物は「劇場」のようだと思い、拾ったボール紙で作った。
ちなみに、この建物の名前はMESSEN(メッセン)。
入り口の2つのアーチの白いペイントが「m」になってることに気づいたのは、住みはじめてからだいぶん経ってからだった。